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この試験方法は一定の相対湿度雰囲気のときに、建築材料が最大含むことが出来る水分の量を測定します。平衡とは釣り合いが取れて安定していると言うことで、この場合には、一定の相対湿度に材料を長時間置いておくと、材料中の水分量が増えも減りもしない状態をいいます。平衡状態で材料中に含むことができる水分は、相対湿度が低い場合には少なく、相対湿度が高い場合には多くなります。したがって、相対湿度と平衡含水率の関係をグラフにすると図のようになります。
 平衡含水率について

試験方法を簡単に述べます。

JIS A 1475では、測定方法としてデシケータ法とチャンバー法の2つが規定されています。

@デシケータ法は図のようなデシケータを使用し、一定の相対湿度雰囲気にするため、塩飽和溶液を使用します。塩飽和溶液がある密閉空間では、温度一定の状態で相対湿度が一定になり、しかも、塩の種類によって、一定となる相対湿度が違うということが知られています。塩を選ぶことによって、異なる相対湿度雰囲気を作ることが出来るのです。この方法はそれを利用しています。例えば、20℃のとき、塩化リチウムは相対湿度11〜12%、炭酸カリウムは43%、塩化ナトリウム(食塩)は75%といったぐあいです。

 @−1 まず、試料を基準の乾燥温度で恒量になるまで乾燥させ、その質量を基準乾燥質量とします。

@−2 基準乾燥質量に達した試料を最も低い相対湿度になる塩飽和溶液が入れてあるデシケータに入れ密閉して静置します。この状態で恒量になるまで測定します。恒量になった時点の質量をその相対湿度の平衡質量とします。

@−3 次に、その試料を次に高い相対湿度になる塩飽和溶液が入れてあるデシケータに移し、同じように恒量になるまで測定し、恒量時の質量を測定します。これを順次、5段階以上繰り返して行います。

@−4 それぞれの段階で得られた質量を元の基準乾燥質量で引くと、それぞれの相対湿度の含水量となります。その値を基準乾燥質量で割って百分率としたものが平衡質量含水率です。各相対湿度と平衡質量含水率の関係をプロットすれば、図のような平衡含水率曲線が得られます。

Aチャンバー法は機械的に温湿度を一定に制御できる容器を使用するもので、基本的な測定は上記のデシケータ法と変わりません。

調湿建材とは