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湿度について
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 夏の場合、高温で相対湿度が高い外気が換気によって入ってきます。部屋で冷房すると室内温度が下がりますので、相対湿度がより高くなります。冷房と同時に除湿をすれば相対湿度の上昇は抑えられますが、家具の後ろや部屋の隅など空気の流れがあまりない部分および壁内などで結露することもあります。

 一方、冬の場合、低温で相対湿度の低い外気が換気によって建物に入ってきます。部屋では暖房しますが、蒸気を発生しない室外排気型ストーブ、床暖房などを使用すると、相対湿度がより低くなり、乾きすぎの状態、すなわち過乾燥状態になります。

 湿度の著しい変動は、材料の反り、割れ、剥がれ等を引き起こし、家財道具、書籍、工芸品の保存上好ましくありません。
 また、木材の腐れ、鉄の錆も高湿度になるほど進行するため、住まいの寿命を縮めることにもなります。さらに高い湿度の環境では結露による被害が起こりやすくなります。窓ガラスの結露は、よく見かける現象ですが、サッシ周りにその水分が浸みていくとそこにカビが発生します。壁面への結露はガラス面に比べて見えにくいため、部屋の天井隅角部、押入れ、家具の後ろなどにカビが発生して初めて認識することも少なくありません。カビは美観を損ねるだけではなく、健康障害にも繋がります。

 建物内の湿度は、外気との換気が十分にされている場合には、外部の気温や湿度に大きく影響しますが、換気が少ない場合には生活の仕方が大きく影響してきます。炊事・入浴などによって多くの水蒸気が発生し、室内の湿度が上がります。また、人体からも水蒸気が発生します。

 暖房・冷房の仕方によっても湿度は変化します。
例えば、開放型の石油ストーブでは水蒸気も発生します。一方、室外排気型ストーブ、床暖房では室内に水蒸気を放出しません。エアコン等の冷房は温度を下げるだけでなく除湿機能もあり、作動のオンオフで室内の湿度が変化します。

換気をした場合にも、高温多湿・低温乾燥の日本の気候では湿度の問題が起こりやすいのです。
  基礎知識(相対湿度と温度との関係)→

日本の気候・世界の気候