ご挨拶

会長ご挨拶

会長 堀 秀充

日頃は当協会に多大なるご指導、ご支援をいただきまして、厚く御礼申し上げます。

現在、世界は、気候変動、コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻などこれまで経験したことのない問題に直面しております。こうした問題は、住宅・建築物の脱炭素化の加速、住生活に対する消費者意識の変容、エネルギー価格・物価の高騰などを引き起こし、建材・住宅設備業界は急激な対応を迫られております。こうした情勢変化への対応に加え、人口や世帯数の減少に伴う新設住宅着工戸数の減少など、中長期的かつ構造的な問題への対応も求められております。

こうした課題に対応するために、政府を挙げて、GX(グリーン・トランスフォーメーション)やDX(デジタル・トランスフォーメーション)が推進されており、住宅・建築物においても、脱炭素社会の実現に向けて省エネ対策が強化され、改正建築物省エネ法に基づく省エネ基準適合の全面義務化、ZEHやLCCM住宅の普及促進が図られております。また、デジタル技術を住宅に活用したIoT住宅や建築分野におけるBIMの活用などについても普及に向けた取組が講じられております。

また、昨今の様々な情勢変化を背景に、住宅・建築物のサプライチェーンが抱える構造的な問題と相まって、価格転嫁の円滑化や取引の適正化、物流の効率化などの課題がこれまで以上にクローズアップされております。
このような課題に業界として対応するために、当協会は、本年度の重点課題として6つの事業に取り組みます。
一つ目は、わが国のグリーン建材・設備製品の海外市場拡大を目的として、国際標準の開発やJIS等のアジア諸国への展開に取り組みます。本年度から3か年の新たな事業期間へと移行し、建材・住宅設備の標準化活動のプラットフォームを目指して取り組んでまいります。
二つ目は、IoT住宅の普及を図るため、人とIoT住宅との協調安全に関する国際標準の開発に取り組みます。2年目となる本年度は、国際提案を目指して規格原案の作成に本格的に着手いたします。
三つ目は、リフォーム市場の活性化を図るため、リフォーム制度の検討、政策要望、普及啓発等に取り組みます。消費者嗜好が高まっている「健康」に着目し、「健康に資する建材・住宅設備」の評価基準づくりなど当協会独自の事業を展開してまいります。
四つ目は、建材・住宅設備のデジタルカタログ検索サイト「カタラボ」の運営に取り組みます。現在200社・2000冊以上のカタログが掲載され、リモートワークの定着等を背景に検索利用が増加しており、さらなる機能や認知の向上に努めてまいります。
五つ目は、中小工務店へのZEH普及や断熱リフォーム・優良断熱材の普及に取り組みます。住宅・建築物の脱炭素化に向けた普及活動を展開してまいります。
六つ目は、ホルムアルデヒド・VOCの発散の少ない建材、調湿建材、抗菌製品の登録・表示事業などに取り組みます。
さらにこれらに加え、「物流の2024年問題」への対応、価格転嫁・取引適正化の推進、建築BIMへの対応といった住宅・建築のサプライヤーとして当業界が直面している共通の課題についても積極的に取り組み、建産協のプレゼンスを高めていきたいと考えております

本年度も引き続き会員企業・団体及び関連業界の成長・拡大に貢献していく所存でありますので、関係各位の絶大なるご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会
会 長 堀 秀充